図研&ラティス コラボレーションページ

図研とラティスのコラボレーションで生まれる、新しいモノづくりソリューション情報をコラム形式でお届けするページです。

図研/プリサイト事業部 プリサイト技術部 DM課 課長 豊田 真教

複雑化するモノづくりで収益を確保するための方程式とは
- 図研とラティス社が誕生させた方程式のお話 -

株式会社図研
プリサイト事業部 プリサイト技術部 DM課
課長 豊田 真教

この方程式は何でしょう?

これは、図研とラティス・テクノロジー株式会社(以降、ラティス社)とのコラボレーションによって誕生した「複雑化するモノづくりで収益を確保するための方程式」です。

前回のコラムで、当社の上野とラティス社の鳥谷社長が、両社のコラボレーションによって生まれる次世代PLMソリューションのシステム構想を語っていますが、それを表したものが この方程式の右辺です。

今回のコラムでは、両社のコラボレーションについて、システム面にフォーカスを当てて、この方程式を読み解くことで明らかにしていきます。読み解くカギは前回コラムの対談の中にありますので、二人の発言にスポットを当てながら説明していきます。

@(E-CAD+M-CAD)

鳥谷)図研のPreSightとXVL技術を用いればエレキとメカをシームレスに連携できる。

鳥谷社長の発言を受けていながら、いきなり手前味噌で申し訳ありませんが、実は当社、図研は世界で唯一、エレキとメカ両方のCAD/PLMを扱うことができる非常に特異なベンダーです。エレキCADのデファクトスタンダードと言ってよいCRシリーズを開発・販売していますし、メカCADについても、販売はもちろん、メカCAD/CAEスペシャリストを揃えた関連会社、(株)キャドラボで技術サポートを行っています。

よって、後でお話しする当社のPLMソリューション「PreSight」では、一般的なPLMと違い、密接にエレキとメカ両方をフォーカスした製品ライフサイクルマネジメントが可能です。そのことを表現したのが、この@項です。

また、この項にはもう一つの意味があります。俗に言われる「エレメカ連携」です。エレキとメカ間のすり合わせ設計は、一般的に中間ファイル(IDF)による曖昧なやり取りが中心になります。

しかし、両分野のCADを有する当社では、データtoデータによるダイレクトでシームレスなソリューションを実現しています。これによってよりスムーズなエレメカ連携が可能になります。 しかし最近では、当社だけでは解決できない要望が寄せられるようになりました。なぜなら、エレメカ連携のフォーカスが新たな領域へ拡張しているからです。

図1の円グラフをご覧下さい。 


これは先日当社で実施したアンケート「プリント基板の3次元化でやりたいことは?」に対する結果です。左上の「解析,治具設計」や左下の「組立性検討、ドキュメント作成」は、設計の初期段階で必要とされたエレメカ連携のニーズが、設計の後期、更に製造・生産技術といった後工程部門での活用へと、範囲を拡大しています。CADやCAEツールが対応できるのは前者であり、後者は範疇外です。これに対応するのは何でしょうか? そう!XVLです。

また、右下の「干渉チェック」は、当然CAD上でも可能です。しかし設計の後期においては、メカ同様に精緻な3次元でのプリント基板データは大規模アセンブリとなり、メカCADではデータが重すぎて扱いが難しくなります。そこでここでもXVLが有効となります。 残りは右上のピースです。エレメカ連携にこれ以上どんなニーズがあるのでしょう? それは、エレキ的検証です。

エレメカ連携はどちらかというと、空間・構造的、すなわちメカ的検証が主でした。しかし、プリント基板を含めた真の製品セット全体でのレビューでは、例えばノイズといったエレキ的検証が必要です。現にみなさんも実機検証において御苦労されているのではないでしょうか?そこで当社では、製品セット全体をXVLにて軽量化し、試作・実機検証前に仮想的にエレキ検証も可能とするシステム、「XVL Studio Z」をラティス社と共同開発しています。エレメカ連携への要求はCADだけでは対応することが難しく、XVLというテクノロジが必要です。
図研とラティス社が単なる販売パートナーとしてだけではなく資本提携を行った意図の、一つ目がこれです。

「XVL Studio Z」は、図研プリサイト事業部のサイト「PreSight.jp」内の下記ページでも詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
http://www.presight.jp/products/mechanic/index.html

A(XVL×BOM)

鳥谷)そして更に重要なのは、設計変更にいかに追従できるかということです。この点をまさに、PreSightのBOM機能と連携してカバーしていきたいと考えています。

さて、XVLとBOMが連携すると、更にどんなメリットがあるのか?そもそも何故XVLなのか?実は、前回のコラムの中に既に回答があります。

上野)BOMの語源は「帳票」ですが、単なる帳票では、設計や製造の現場は使ってくれません。BOMと設計データを連係させることで、製品バリエーションの確認や、設計変更、工程の設計・検証などが全て視覚的に行えます。これはどのプロセスにとっても大きなメリットです。

そう、「設計データ」をBOMと連携させるのです。現在のモノづくりの現場では、設計データ、すなわちCADデータと一般のBOMシステムは、今だにCSV形式でのやり取りで、手張りでBOM作成するといった状態が多いのではないでしょうか。なんとかBOMを作成しても、変更、変更、と等比級数的に作業量が増大し、ミスも起こりやすくなります。

果たして、このような状況を放置している現状の一般的なBOMシステムをIT支援と言ってしまって良いのでしょうか? そこで当社は、BOMとBOMの源泉である設計データを連携させます。しかしCADデータは容量も大きく、また全ての人がCADを使えるわけでもないため、非常に取り回し難い。そこで白羽の矢が立ったのがXVLです!

PreSightでは、XVLは単なるビューア、形状表示という役割だけではありません。設計データ、すなわち設計情報・属性を保有したデータベース、言うなればインターフェイス言語としての役割をXVLに持たせるのです。

BOMにダイレクトにXVLを読みこませると、XVL内にある構成ツリーや様々な属性がインプットされ、BOMの作成や様々な視覚的検証が行えます。そして変更されたXVLをふたたび読みこむことで、変更内容が即座にミスなく反映され、変更点もグラフィックに表示できます。また逆に、BOMにてバリエーションを定義すると、即座にXVLでの製品イメージを生成できます。XVLをツールとしてだけでなく、データベースとして扱う。ここでも、ラティス社との提携は必然だったのです。

B/WWW

上野) 広くネット経由で使われることを考えると、軽量化されたビューアデータが適している。

今日のモノづくりは、1社では完結せず、サプライヤやODMとの分業が進んでいます。そのためデザインレビューにおいて拠点間、企業間でのやりとりが必要になります。しかし現状は、CAD画面にコメントを入れた画像をメールで添付したり、メールで事足りない場合は電話、それでもダメなら結局海外のODM先に出張する、といったことが起こっています。

そこでPreSightのBOMやプロダクト/プロジェクト管理システムは、全てWebテクノロジをベースに開発しています。
インターネットを介して動作が可能なため、いつでも国や企業を越えて情報を共有し、コラボレーション、デザインレビューを行うことが可能です。共有したくない情報があれば、当然マスクする(不可視化する)ことができます。そしてWeb上でも軽量フォーマットであるXVLなら、無理なく3D形状を表示して確認することができます。


さてここまで、方程式の各項をばらばらにして読み解いてきましたが、ここでこれらを掛け合わせてみましょう。
@×A/B、これで冒頭に挙げた方程式ができあがります。 この方程式の解は、図研とラティス社のコラボレーションにより誕生する次世代PLMです。この全く新たなソリューションでは、一般的なPLMと異なり、設計データや各種BOMをばらばらに管理するのではなく、XVLを共通言語として部門間、企業間で、モノづくりに関わる様々な情報を高次元で連携・連動させることができます。


その結果、冒頭で掲げたように皆さまの成功、すなわち「複雑化するモノづくりで、収益を確保する」ことが可能なソリューションになると確信しています。

いかがだったでしょうか。図研とラティス社とのコラボレーション、そしてそこから誕生するPreSightワールド、その一端を垣間見ていただけたでしょうか。
本コラムでは、その全てを語りつくすことはできませんが、図研プリサイト事業部サイト「PreSight.jp」内の各ページで詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

それでは、最後に当社の上野、ラティス社の鳥谷社長の力強い言葉で締めさせてもらいます。
お付き合いいただきありがとうございました。

鳥谷)PLMは「製品ライフサイクル管理」ですが、今回の提携で実現するソリューションは、本当の意味で製品ライフサイクルを扱う初めてのケースといってもいいと思います。

上野) XVLとCADとBOMがつながって、真に製品ライフサイクルを管理できる事例をたくさんつくりたい。


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なぜXVLがモノづくり情報の
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